「急制動」とは教習項目のひとつだ。加速をして「制御開始地点」を時速40km(小型バイクの場合は時速30km)で通過した後、指定した範囲内で停止する、いわばブレーキングのコントロール能力を見るテストである。
教習における急制動とは
中型・大型バイクは11m先に設置されている停止位置を超えないようにブレーキを掛ける必要がある。なお、路面が濡れている場合は中型・大型バイクで14mまで延長される。
ブレーキ中に転倒したり、停止位置を超えてしまった場合には実技試験が中止となる。
ブレーキのコツ
制動開始地点には目印としてカラーコーンが立っている。タイヤの前輪がカラーコーンに差し掛かったのを目印に制御をする方法が一般的だが、このタイミングだと反応が遅れて停止位置を超えてしまう、という場合は、少し前からブレーキングをするのがおすすめだ。
そのためには、制御開始位置に到達する前までに時速40kmを少しだけオーバーしておく必要がある。早めにブレーキをかけるか、制動開始位置のカラーコーンが前輪に差し掛かったときにブレーキングするのがよいかはやりやすい方を選ぶとよいだろう。
「制動開始位置までに時速40kmにしておこう」と思って手前でブレーキングをしてしまい、制動開始位置で時速40kmを切ってしまう人は、カラーコーンと前輪が重なるタイミングでブレーキングをしても良さそうだ。
一方、思わずブレーキを強くかけすぎてタイヤをロックさせてしまうという人は、少しだけ速度を上げておき、制御開始地点の少し前からブレーキングを行なうのがよいだろう。
ブレーキのかけ方
ブレーキはフロントブレーキとリアブレーキを両方使うと安定して止まれる。フロントブレーキとリアブレーキの割合が7:3くらいになるよう、前輪のブレーキを強めに、だが強くかけすぎないのがコツだ。フロントブレーキを強くかけてしまうと、タイヤがロックしてしまうリスクが上がるからである。リアブレーキはいきなりかけるのではなく、ジワッと踏み込むイメージのほうがかかりやすい。
人によってはリアブレーキのみで停止するほうがやりやすいということもあるが、これは試行錯誤で自分にしっくり合う方を選んだほうがよいだろう。いずれにせよ、フロント&リアブレーキで止まるか、リアブレーキのみで止まるかの2つのパターンがある。フロントブレーキだけだと転倒しやすく、リアブレーキだけだと止まりにくいという性質は覚えておいて、自分がやりやすいブレーキングを見つけてみよう。